プロマネブログ

とあるSIerでプロマネやっているオッサンです。主にシステム開発ネタや仕事ネタ、気になった三面記事ネタの解説なんかしてたりします。

大企業より本当に中小企業は成長できるのか?(言及への回答)

「ちきりん批判」が粗雑ではないか?という話 - lestructure's blog

 

正直、ちきりん氏の話題から離れて別の記事を書こうかな~って思ってたのですけど、せっかく二度も言及いただいたのに何も返答しないってのも無礼かなと思ったので、記事書いてみました。

 

まずは、オッサンの昔話を聞いてください。

※昔、別の記事に書いた内容の再掲ですけど。。。

 

成長できなかった中小企業

オッサンの父親は昔、小さな会社を経営してました。自分で起業した、バブル期のベンチャーですね。といっても、最大時に従業員は母親他10名ほどの小さな小さな会社でした。 

当然、経営者なわけで経営術、営業、販売管理などなど、あらゆるスキルを父親は身につけてました。様々な講演会などに出席し、トレンドを分析したり、他の経営者と会って情報交換したりと精力的に活動してました。

 ところが、バブルが弾けると一点、売上は下がり、借金を背負い、従業員は去っていき。。。今もほそぼそと商いを続けてますが、当時身につけたスキルなどなんの役にも立ってません。

 

仕事が不安定な中小企業では、仕事が変わってしまうこともままあります。

雇用も不安定。今をなんとか生きるのが精一杯で、後で転用できるほど整理され状態とならず、ただの経験に終わってしまう。どんなに多様で幅の広い経験を得たとしてもスキルとして昇華されてなければ、身につけていないのと同じ。

つまり、成長0と言っても過言ではないです。

 

 

それと引き換えて大企業。例えば、大手商社。

日経の記事が見つからなかったのでNAVERまとめを引っ張ってきてます

http://matome.naver.jp/odai/2132038087467703201

新入社員のうちから海外赴任をし、もまれてくる様な取り組みを行ってます。

また、業務範囲や責任範囲が広いほうが良いっていうのであれば、社内ベンチャー制度を導入して成功を収めているリクルートなど多数の例があります。これらの会社も社内研修制度などきっちり組み込んでおり、人の取りこぼしもしません。

大企業では仕事の幅が広いため、希望すれば様々な仕事をできるチャンスを与えてもらえる例もあります。オッサンも、昔希望して自分の力量を超える仕事を一度にやらせてもらったこともあります。ちきりん氏の言うグチャグチャな状況ですね。

 

大手企業の研修制度を知ってますが、OJTで学んだことを再度理解を深めるような体系になっており、身につけた経験を再利用可能なスキルとして昇華できると考えております。最初はグチャグチャでわけも分からず身につけた経験も、その後の研修で再整理される感覚です。

こういった例を見れば、大企業でも十分成長できる面があると思います。

 

日銭を稼ぐのに精一杯で、何でも屋として生きて疲弊しわけも分からず仕事している中小企業の人間と、グローバルな世界に揉まれビジネスマンとして活躍している大企業の人間、どちらが成長できていると思います?

 

わかりやすかったので、ちょっと極端な反例を出して見ました。

 

上記の様な姿を見れば、「中小企業の方が大企業より成長スピードが早い」というのがただ一部の成長に成功できた中小企業と、一部の成長に失敗した大企業を見ているだけってことに気づけるはずです。中小企業の上位10%と、大企業の下位10%を比較するような。

 

つまり、ビジネス経験や社会経験を積み、中小企業と大企業の良い所と悪い所を両面認識すれば、「企業によって違うし、一概に言えないんじゃない」って回答になっちゃうと思います。

 

「一概にいえない」から脱却するためのロジカルシンキング

残念なことに、ちきりん氏の語った内容は、あくまでちきりん氏の見える世界から語られた内容と言えます。もしかしたら、日経やネットニュースで取り上げられるような華々しい中小企業やベンチャーの成功事例と、ネットでよく叩かれる大企業の悪事例だけ見て先の記事を書いたんじゃないかな~って思えるほどです。

ただのステレオタイプの受け売りで一般化も出来ず、真理にも近づいてない。論理構成の雑さを差っ引いても内容・主張も雑すぎます。

なので、同じ世界だけを見た人からは賛同が得られる反面、他の世界も見たことがある人からは「何いってんの?」となるわけです。

 

上記の膠着に対する回答が、吊られた男さんの記事になるかと思います。

吊られた男の投資ブログ (インデックス投資) : 大企業は成長が遅いというおかしなちきりん氏の説明 

 

 

突飛な例、経験や自分の見た世界だけを起点として全体を語るのではなく、社会全体をきちんとクラスタ分析などの分析を行い、MECEな関係を導き出だし、議論すれば、曖昧さのない皆の納得と共感の得られる前向きな議論ができる、と思います。

 

人は誰しも、自分の見える世界を信じたくなる、語りたくなると思います。

でも、そこをぐっとこらえて論理的な視点から語ることこそ、いろいろな立場の人に対する理解と真実に近づくための有効な議論の近道になるんじゃないかなと思いますよ。

 

 

以上