プロマネブログ

とあるSIerでプロマネやっているオッサンです。主にシステム開発ネタや仕事ネタ、気になった三面記事ネタの解説なんかしてたりします。

「遅刻・ドタキャンを怒る人」はコスト意識と生産性への意識の現れ

1回めのエントリではまあ、突っ込みたいけど我慢するか、でしたが。。。2回めのエントリ見たらもうツッコミしたい気持ちが溢れてしまいました。。。

反応したら負けなのでしょうけど、自分の気持をスッキリさせるためにも反応してみたいと思います。

 

イケダハヤトはMTGの「ドタキャン」「無断ブッチ」を歓迎します : ihayato.書店

誰かの遅刻・ドタキャンを怒る人は、仕事ができない : ihayato.書店

 

 

まあ、いつもどおりのエントリですね。。。

 

2つ目のエントリから注目したいのですけど、内容を要約すると

「会議の遅刻、ドタキャンを責めるのは、リスクヘッジができていないので仕事が出来ない」

という主張です。

 

これって典型的な詭弁。「論点のすり替え」*1なんですよね

 

 「会議を遅刻、ドタキャンすることは間違っている」という批判は、ファシリテーションのやり方に対する批判です。

これに対して「リスクヘッジができてない人は仕事ができない」というスケジュール管理、プロジェクトマネジメントの視点で反論しているわけですから。

 

こんな詭弁を平気でいう時点でそもそも仕事が出来ないのでは。。。と突っ込みたくなる気持ちをこらえて、ここの議題に分解したいと思います。

 

論点は2つ。

  • 会議を遅刻、ドタキャンすることは問題ではない
  • 仕事が出来る人はリスクヘッジをしているので会議をブッチしても大丈夫

この2つです。

 

会議を遅刻、ドタキャンすることは問題ではない は間違い

会議って、生産性を左右する重要なファクタです。

このため、最近ではリーダーとなる人物はファシリテーターとしての力を求められることがしばしばあります。

 

例えばよくある話を一つ。

40人からの部員がいる部長が毎日朝会、夕会を30分ずつ行ったとします。訓示や連絡事項などあまり毒にも薬にもならないような話をしてます。

この部では、毎月会議に以下の工数を割いてます

 40人 × 1時間 × 20日 = 40MH(=5MD) × 20 = 5MM

つまり、月単位で見れば、5人分の仕事にまるまる朝会夕会に使っているわけです。

部員は実際の仕事に加えて5人分の仕事をさせられているに等しいです。当然その分残業などもすることとなるでしょう。これでは生産性なんて上がる訳ありません。

 

したがって、効率的な会議の開催が組織の生産性を左右する、と言っても過言はありません。仕事ができる人ほど会議の運営には気を使います。

 

ファシリテーションスキルとして、効率的な会議には以下の要素が必要と言われてます

  • 最小限の議題 (余計な話は持ち込まない)
  • 最小限の参加メンバー (意思決定者以外の不要な人は参加させない)
  • 最小限の時間 (だらだら時間を使わない)
  • 最小限の開催 (極力議題の回数は減らす)

 

会議の密度を極限まで高めることで、効率的を高めようってわけです。

当然、密度が高まった会議では有能な人の貴重な時間を使わざるを得なくなります。つまり、開催の回数や準備は少なければ少ないほど、仕事の能率が高まります。

そういった重要な会議を「ドタキャン」「ブッチ」した場合、その準備や時間調整に費やしたコストが失われることとなり、ひいては生産性を低下させる要因となるわけです。

 

てなわけで、会議の重要性や会議の生産性を高めている仕事ができる人ほど、「どんどん会議をブッチしてください」なんて言わないわけです。

 

リスクヘッジをしているのだから会議をブッチして良い は間違い

オッサンはプロマネやっているので、プロジェクトのリスクヘッジには敏感です。

確かに、プロジェクトをスケジュールするときにはリスクを調査し、それに応じたリスク配分を計算、バッファを確保します。

なので、多少のトラブルであれば少々の遅れで仕事が遅れることなんてないよう、調整します。

 

ただし、これらのヘッジはコスト(金や時間、労力)が必要です。プロジェクトを安定して運営するための保険料みたいなわけなので。

その保険料を「理由はないけど会議をブッチしましたので時間おかわりさせてください」なんて使われたらたまりません。

 

つまり、リスクヘッジに対する考えとしては時間が遅れても大丈夫な様な仕組みは必要、というのは正しい反面、会議ブッチを問題視しないで平気と言うのはコスト意識の欠如、というわけです。

 

プロジェクト運営の基本は、ヒト・モノ・カネが限られた状況下で如何に安定してプロジェクトを運営するかが命です。

前述したとおりミーティングの様な多人数の参加するコストの高い仕事は、極力最小限のコストで済むよう工夫するのが仕事ができる人ってものです。

 

 

まとめ

なんにせよ、仕事が出来る人ってのはリスクヘッジができることだけではないってことです。

 

仕事を進める上で、リスクヘッジだけでなく、コスト意識を持ち生産性を高め、よりよいアウトプットを出せるよう努力することが大切ではないかなと思います。

 

なんにせよ、会議をブッチしてもOKなんて生産性の低いこと言わず、有効なものにできるよう努力しましょうってことで。

 

 

 

ふう。。ちょっとだけ突っ込むつもりでしたが、おもいっきり長文を書いてしまいました。反省。

 

で、あまりスッキリしなかった。。。

これが反応したら負け、という感覚なのかなあ。

 

 

以上