日本人が英語を使えない理由、今後も使わない理由
http://getlife.hateblo.jp/entry/2013/12/14/035721
自分の前回の記事で書き忘れていたことがあったので、こちらに追記。
タイトルの通り、日本人が英語を話せない理由の考察です
同じような考察を行った人がいるかもしれませんが。。。
日本国内では「英語を使えない」のは合理的
まんまですけど、上記がオッサンの考える理由の全てです。
日本語が大多数のコミュニケーション手段となっている日本において、日本語を学び、日本語を会話とするのが最も経済的に効率的です。
コミュニケーションを取りたい相手は日本語を高確率で使用できますので、日本語で会話すればロスがありません。目にする文書などもほとんどが日本語で書かれてます、日本語を理解すれば難なく読むことが可能です。
個々人の持つ人的リソースは有限ですので、どうしても最も効率的な活動を行います。したがって、英語を使う機会がなければ、上達しないどころか、せっかく学習した英語も忘却の彼方。忘れてしまいます。
つまり、みんなが効率的な動作を行った結果の帰着として、「英語が使えない」ってなるわけです。
まあ、「数学なんて仕事の役に立たない」って人が、数学で学んだことを忘れているのと同じ現象なわけかな。
ちなみに、オッサンの周りで来日する移民(ビジネス目的の長期滞在者)は、ほぼ全員日本語を学習してから来ます。
ビジネスメンバーだけであれば、例えば英語や中国語など、日本語なしで仕事できることもまあ可能ですけど、それ以外の大部分の生活(コンビニでの買い物、外食など)では英語が通じず日本語だけってことがほとんどです。
つまり、日本で仕事する上では、英語や母語を使って仕事するよりも、日本語を使って仕事するほうが一石二鳥(ビジネス面でも生活面でも利用できる言語)となるわけで、日本人と同じく経済合理性により日本語で会話するようになります。
で、これは言い方を変えると、「海外で仕事するのならば、その国で最も使用される言語を取得するのが良い」ってなります。
オッサンも、よく出張で中国などに行くのですけど、中国では日本語はおろか、英語が伝わらないなんてこともあります。
「How much?」なんて通じませんので、「多少銭?」ってお店では聞かなければなりません。
「Where is the restroom?」なんて通じません。腹を下した時に「厕所在哪儿?」って言葉が出てこない時は異国の地で大恥をかくところでした。
まあ、人間必要があれば何とかしようと言葉を覚えるもんですね。
というわけで、一部の英語圏で働こうと言う先駆的な人間については英語が必要と思います。そのために英語教育を強化するってのもまあ一理あるのですが。。。
ただ、グローバル化が発展した現在、英語圏外でも働く機会は増えているんですよね。。。英語は公用語語圏が広いものの、母語人口やビジネスの重みで言えば、中国語やスペイン語、ヒンディー語も同様に教育強化の対象としても不思議ではないです。*1
そこら辺の議論が出て来ずに、英語=グローバルとしているあたり古臭いっていうか、中途半端さを感じます。
今後のグローバル進展にともない日本人全員に英語は必要となるか?
さて、現状については前述のとおり、「必要ないから英語が使えない」と書いたんですけど、今後は必要になるんじゃないか?という意見もあるかと思います。
実は、オッサンは今後も日本人全員が英語を必要とする事態はまずないんじゃないかな、と思います。
理由は前回の記事*2にも記載した通り、ビジネスの場ではグローバル化の進展を英語など共通した表現を共有することを前提としつつなくなってきているからです。
グローカルなんて呼ばれてたりします。
例えば、IKEA。
グローバル企業の典型みたいな企業です。
このIKEAで販売される商品についてくる説明書。日本語だけでなく中国語やスウェーデン語、英語も記載されていたりします。商品によっては、絵図だけで説明していたりも。
つまり、世界展開するにあたり効率化のために商品、及び説明書などは共通化しつつも全世界のローカル事情を反映して全地域に対応できるようにしているんですよね。
(でないと、機動的な多国籍展開が出来ず、かつ現地の抵抗感を与えてしまい儲からないから)
もし、日本人が日本語以外の言葉を必要とすることがあるとしたら。。。まあ、日本が他国に占領される、とかぐらいかなあ。
※経済崩壊ぐらいであれば他国の事情を見ても、使用する言語が変更されたって例はあまりみないですし。。。
というわけで、日本人全員が英語が必要になること、ひいては英語を使うようになることは今後もないと思います。
まとめ
てなわけで、前回の記事からの追記となるわけですが、繰り返しとなりますが、「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」なんて言ってるあたり、文科省はグローバル化の本質わかってないんじゃないのかな?って思ってしまうわけです。
上記の通り、日本人は英語が必要ないからこそ、合理的な動作により英語が使えないわけです。そして、今後も英語が必要になるか、と言われると全員に英語が必要といわれる事態はまずないかと思います。
もちろん、英語が必要となる一部の先駆的な人材を育てるための英語教育強化は必要かと思いますが、ただ、貴重な時間を英語強化だけ重視して割くのはリソースの使い方として疑問です。
むしろ、国語や数学などから、論理的思考力の強化や問題解決能力を鍛えるようにしたほうが良いのでは、と思います。
以上