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プロマネブログ

とあるSIerでプロマネやっているオッサンです。主にシステム開発ネタや仕事ネタ、気になった三面記事ネタの解説なんかしてたりします。

2014年近年のオフショア事情

この前、オフショアにちょいと言及した記事*1を書いたので、オフショアの現状についてちょっとまとめ。

 

オフショアの受託スキルの向上とブリッジSEの減少

オフショア開発は古くは中国、インドを対象に10年以上前から実施されておりますが、オフショア先のリーダ層に、入社以降オフショア開発を経験し続けてきた人材も増えてきたため、日本側とのコミュニーケーション能力がかなり円滑化してきてます。

 そういった、優秀なリーダがいるオフショア先への仕事の依頼に関しては専用のブリッジSEが不要になる場面も出てきております。

 オフショアへの仕事の依頼に関して、最低コストが低下してきており、軽量な開発体制へと移行できるようになりました。

 

大量動員から少数精鋭

オフショア開発のハシリの頃は、基本はオフショア側の動員力と低価格を中心とした大量動員の面での活用が中心でした。

このため、プログラミング、単体テスト工程が中心でした。

 

理由はいろいろありますが、日本側のオフショア委託能力が低かった(ワークフローが密結合的で垂直統合的な仕事の流れだった)こともあり適切な指示が出せなかったこと、オフショア側も日本側の指示をありのままに受け取ってしまい動いてしまっていたことが原因と思ってます。

※もっとも、指示通り動くのは委託先の義務として当然という面もあるので、日本側の問題な気もしますが。。。

 

ところが、前述したとおりコミュニーケーション環境の充実化、オフショア側の受託能力の上昇、日本側のオフショア委託能力が上昇し、疎結合、水平統合的なワークフローを構築できるようになったなどの理由から、委託できる仕事の領域が広がり、内部設計など、ソフトウェアの内部構造やアルゴリズムなども任せられるようになってきます。

 

彼らのプログラミングやプログラム設計技法は日本人と同等、それ以上の場合も多く、質の高いプログラムが作れるようになってきました。

結果、オフショアの役割はロースキル・ローコスト・大量動員の開発体制から、ハイスキル・ローコストのハイパフォーマンス人材の開発体制へと立ち位置が変わってきました。

 

まあ、と言っても、大量動員が必要な場面では引き続き大量動員を行う場面も珍しくないので、大量動員だけでなくきめ細やかな開発も行えるようになった、というのが正解かと。

 

オフショアファースト

上記のような結果、最小構成の開発体制をつくろうとした場合、「プロマネ+オフショア開発者」みたいな開発体制を組むことも珍しくなくなってきました。

   

とはいえ、依然として業務モデル化(サービス設計やドメイン設計など)みたいな領域ではオフショアは手が出しづらい部分がありますし、説明してもピンと来ない場合もあったりするので、そこら辺は日本人エンジニアのアサインが必要な部分でもあります。

 

このような流れから、要件定義や外部設計などのボリュームと難易度に合わせ日本人エンジニアを追加で動員するみたいな、オフショア前提、日本人はプラスで、みたいなオフショアファーストの開発体制も珍しくなくなってきてます。

 

昔のオフショア開発が珍しい時は、「オフショア開発を行う」事自体が話題となってましたが、今や話題にもならなくなったぐらい当たり前のものとなった感じです。 

 

新天地の開発

中国、インド、ベトナム、フィリピンは比較的古くからオフショア先開発拠点として成長してきましたが、その反面単価も上がってきてます。

 

このため、新たなオフショア先の開拓を行っている先駆的な会社もあります。

東南アジア方面の新たな国をターゲットに、拠点づくりを行ってますが、電気などインフラもままならない、通信網も脆弱だったりして苦労してます。

 

SIerの仕事もずいぶんグローバルになったもんです。

 

課題

個人的に、オフショア比率が高まったことによって感じる課題があります。

 

  • 日本側の開発力低下により、オフショア非稼働時の開発力低下(トラブルを前提仕様としたロジックにすることである程度軽減可能だが。。。)
  • 国・政治リスク(特に中国。出張がままならなくなる等のリスクが生じる。。。中越関係の悪化等の問題も新たに出てきそうなので、状況に合わせて柔軟に変更する必要があり)
  • 次期リーダの育成が困難(開発案件を通じて実際の業務プログラミングや、基盤構築などする機会が減少したことで、若手を育てづらくなってきている。。。戦略的なアサインが必要だけど、忙しいとオフショアへの開発に流されてしまう。。。)
  • 単価の上昇(円安。単純に旧呂が高くなってきている国もあり。オフショア歴史が長いインド、中国、ベトナムあたりは特に)

 

 などなど。

 

まとめ

ここでダラダラ書いた内容は、所謂元請けと呼ばれているオフショアを比較的よく活用しているSIerの事例です。

多分、SI業界の中でも少数派だと思います。

※全体の1割もないような気がします。

 

オフショア開発の歴史が長い会社の場合、導入期はもうそろそろ終わり、成長期に向かうところですね。これに対して、ここ数年でオフショア開発を始めた会社はまだ導入期の会社も多く、ノウハウ蓄積含めて、まだまだこれからというところも多いかと思います。

 

今後、オフショアは更に成長すると予想しています。となれば、導入期から成長期へ開発体制における立ち位置が変化したように、今後も変わるだろうなと思います。

そのような現在、オフショアとどのような付き合いを行うか、重要な企業戦略になりうるんじゃないかな、なんて思っているわけです。

 

以上

 

 

標準テキスト オフショアプロジェクトマネジメント 【SE編】

標準テキスト オフショアプロジェクトマネジメント 【SE編】

 

 

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