プロマネブログ

とあるSIerでプロマネやっているオッサンです。主にシステム開発ネタや仕事ネタ、気になった三面記事ネタの解説なんかしてたりします。

指摘密度だけでレビュー品質をチェックするPMOは仕事をサボっているも同然



ひと通り笑ったので。。。

 

用語統一厨は結構重要な指摘

用語統一厨 「"お問い合わせ"は"お問合せ"と表記することに決まってるので」

 

元増田ではクソレビューアに「用語統一厨 」が挙げられているわけですが、結構この指摘って重要なんですよね。

 

というのも、オフショアとの開発やっていると、用語一つ一つが認識相違の致命傷となることがよくあるから。

 

オフショア側の人間ってやっぱり日本語に慣れてないこともあるので、用語がバラバラの設計書を渡したりすると、日本人からすれば同じ意味と把握できるような単語でも、別の読みや言葉として認識したりする場合もあったり。

 

オフショア開発で痛い目にあった、という人の話を聞くと、用語の統一や表記の統一みたいな、日本人からすると些細な部分できちんとコミュニケーションをとれてない場合があります。

でも、これってドキュメントを上手く解釈してくれるよう読み手に甘えている部分でもあるので、書き手の責任としては、きちんと用語を統一するように書くのが正解じゃないかな、と思います。

 

指摘密度と品質の関係

 

PMO 「指摘密度が基準値に満たないので、その他なんでもいいので指摘ありませんか?」

 

合同プロジェクトなどにチームで支援にいったりすると、PMO部隊が支援チームのPMの活動を分析したりすることがあります。

なので、オッサンがレビューした結果に対して合同プロジェクトのPMO部隊から「レビュー指摘が足りてないんじゃないですか?」なんて言われることまれにあります。

現場見てないので、数値で判断するわけですね。

その度に「いや、ウチのチームとしては十分レビューできているって」なんてバトルになったりすることもしばしば。

 

そもそも指摘密度って何か。

 

指摘密度自体位は、過去の類似プロジェクトにおけるレビューの実施状況から、「おおよそ1Pあたり○○件~XX件の指摘が発生する傾向がある」という結果より、レビューが適切に行われたかどうかを判断する指標となります。

上記の下限値より指摘密度が小さい場合、レビューできちんと問題点を指摘できてないんじゃないだろうか、上限値より指摘密度が大きい場合、そもそも成果物品質が悪いんじゃないだろうか、みたいな感じで使うわけです。

 

さて。上記の評価ですが何が問題か。

 

決定的な問題としては「質的な面で品質評価してない」ってことです。

 

例えば、レビューイが前回初めてドキュメントを作成した人で、今回修正内容について設計内容を熟知している場合、当然2回めの修正は慣れがありますので、指摘件数が少なくなる傾向があります。指摘は少なく、品質は向上するってパターンです。

 

逆に、レビューアが前回とは異なる人物で、体裁や表記があまり理解できない場合、自分の理解しやすいドキュメントでないと成果物とならないなんて考えた結果、表記や体裁等の指摘が増える傾向があります。この場合は、指摘は多いものの、あまり品質に変化なしってパターンです。

 

又、そもそも前述したPMO部隊がチェック基準としている指摘密度が、過去品質の悪いプロジェクトのものを採用していたりもして、ノウハウやドキュメントをきちんと整備したオッサンのチームのレビューで使うには、あまりにも状況が乖離していたりも。

 

とまあ、色々なパターンが考えられるわけですが。。。

要は指摘密度から外れても品質面は変わらない、あるいは向上しているパターンがあるってことをきちんと把握しなければならないわけですね。

 

まとめ

結局のところ、指摘密度は「品質を保証するための指標」ではなく、「レビューの場面で前回と異なる何かが起きたアラート」だと思うのが適切だと思うのですよ。

 

PMOはレビューの品質を指摘密度といった数字で判断するのではなく、指摘密度でチェックに引っかかったレビューの定性評価をきちんと行うことで判断しなければ、きPMOとしての品質評価にならんと思うわけです。

 

言い換えれば、指摘密度だけでしか品質を判断しないPMOは仕事サボっているのと同然になってしまう、と思うわけです。

 

以上

 

 

なぜ重大な問題を見逃すのか? 間違いだらけの設計レビュー

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