日本のエンジニアの地位が低い本当の理由
なぜ日本のエンジニアは地位が低いのか?その傾向と対策 - paiza開発日誌
う~ん、前提となる分析がイマイチなため、結論もイマイチとなってます。
私が所属しているのは一次受けSIerなので、まあ、ITゼネコンと言ってもいいのかな。その中のそこそこ出世していると思われる理系プロマネからみて、実態あまり分析できてないのが残念です。
元記事とは違った見方をしているので、ちょっとまとめてみます。
大手SIerのしごと
いわゆるITゼネコンと呼ばれる一次受けを担当するSIerの開発チームでは、以下の様な仕事してます
- プロジェクトマネージメント
- 業務設計、業務分析、仕様設計
- ソフトウェアアーキテクト設計
- 基盤構築 ※縮小傾向
ちなみに、上記技能が特化していれば文系でも理系でもだいたい出世できます。当たり前ですが、文系だから、理系だからではなく、仕事ができるから出世します。業務設計やソフトウェアアーキテクチャの設計ができなくてもOK。力不足を理解して補填できるよう社内の知識リソース収集ができるプロジェクトマネージメント力があれば良いからです。チーム仕事なわけで、まあ当然ですね。大手SIは豊富にいる技術専門家をナレッジベースとして活用するのが得意なんですよ。
上記4つの仕事をITゼネコンは高度にこなします。
顧客要件を分解し、「誰にでも、簡単に」開発できるよう設計を分解します。プロジェクトマネージメントを工夫し、ウォーターフォール、アジャイル、CIツールなど、使えるものはなんでも使い、顧客に最適な形で「誰が参加しても」円滑に開発ができるよう組織運営します。
結果、高度な技術がなくても開発するメンバーは誰でもよい、という状態になります。
たま~に、退社報告をブログで語る人が「SIで開発するシステムに技術なんていらずに失望した」なんていう人がいます。
それを見る度、「新人や若手でも技術なしで開発・理解出来るだけ機能分解できているのだから素晴らしい技術じゃん」って思うんですけどね。
台頭する中国、インド、ベトナム
その結果、「高い金を払って日本人プログラマ雇う必要ないんじゃね?」となります。
そこで目をつけたのがオフシェア。日本人の1/3~1/5の金額で日本人と同等以上のプログラミングを行えるスキルのある人物を雇えます。
今まで日本人PGを100人雇っていた案件は、中国人PG150人に置き換わりました。
プログラミングは別に日本人だけが得意なわけではありません。中国人だって、ベトナム人だって、インド人だって作ることができます。日本人であるアドバンテージは言葉の差だけ。
日本人PGは単価あたりの生産性の低さにより、中国人PGより高い付加価値を提供できず、競り負けてきました。
この先生きのこるためには
結局のところ、付加価値を提供できないエンジニアがグローバル化の波におされ、地位がどんどん低下しているのが原因です。
つまり、何らかの形の価値を提供しなければ、この先生き残れません。
- プログラミングに価値がないと判断し、日本の顧客に対して最も付加価値を提供できるプロマネ、上流設計、品質保証に特化した大手SI
- 安い単価と高度な開発技術でプログラミング能力を提供することで日本市場を狙うオフシェア開発
これが、現状です。
元記事では、解決方法にプログラミング生産性向上で対抗を検討している模様ですが。。。完全にイバラの道です。
その道は、完全にオフシェア開発とバッティングしてます。つまり、グローバル化の洗礼を受ける道です。
「日本のIT/Webエンジニアを世界レベルに引き上げる」といってますが、実際には「日本のIT/Webエンジニアを世界レベルに引き下げる」のが正解でしょう。。。
2~3年はうまくいく可能性がありますが、その後、早ければ10年以内にはオフシェア開発者との生産性/単価競争となります。
給料2~5万円の人との価格勝負です。 生産性10倍ぐらいでは到底太刀打ちできませんし、オフシェア側もどんどん生産性を高めていってます。
エンジニアはコーディング以外の付加価値を見つけられなければ、先はありません。
って言いっぱなしも何なので、私からオススメの道をいくつか。
- 自らインド、ベトナムなど比較的日本語エンジニアが少ないオフシェア拠点で生活し、オフシェア開発と日本の顧客会社をつなぐ高度ブリッジエンジニア
- セキュリティなど、ニッチな分野に特化したエンジニア
などは需要があるかと思います。コーディング+アルファで勝負することが基本かと。
以上