McFarlane IT Portfolio分析の学習メモ
ただの情報を残すためのメモですが、何かの参考になれば。
「McFarlane IT Portfolio」のメモ
ITコンサルなんで最近よく使われるIT資産分析手法で、McFarlaneって方の提唱した「McFarlane IT Portfolio」ってのがあります。
簡単に言うと、「現時点戦略的か」「将来戦略的か」でIT資産を占うっていう分析手法です。
それぞれのエリアについて説明すると以下のとおり。
- 革新性が高い&現収益性が高い ・・・ strategic(戦略的システム)
- 革新性が高い&現収益性が低い ・・・ turnaround(変革システム)
- 革新性が低い&現収益性が高い ・・・ factory(工場システム)
- 革新性が低い&現収益性が低い ・・・ support(支援システム)
で、これらについて代表的なシステムをマッピングすると以下の様な形となります。
戦略的システムには、新しいサービスを提供しつつ収益を上げるECや各種ウェブサービス等が該当します。新技術などが比較的適応しやすい領域で、ウェブサービス企業などが多く参入してます。
戦略システムの様な革新技術を元に収益を稼がなければならない方面については、ウェブサービス企業みたいな形で内製化を行うことで差別化の原動力とするインセンティブが働きます。アジリティの高さが生かせる分野です。
変革システムには、直接収益には上がらないけどチャネルの拡大等を目指した投資用のウェブサイトやCRMなどが該当します。
変革システムは、当初は変革でも、ゆくゆくは工場システムになったり、戦略的システムになったりと成熟度合いによりほかの領域へ移動するシステムです。例えば、EDIも十分業界に普及し、革新性がなくなれば、工場システムへ移動したりもします。
工場システムには、目新しさは無いけど、確実に収益を上げるための業務基幹系システムが該当します。枯れた技術と安定運用が好まれる領域で、SIerが最も得意とする領域です。組み込み系等もこちらに該当することが多いです。
工場システムに該当する業務基幹系では頻繁な改変よりも、安定稼働と低コスト化が求められる領域であり、自社で人員を抱えるよりもSIer等のベンダに業務委託を行うことにメリットが出てくる領域です。ウォーターフォールなどでかっちり対応するほうが利点が大きいです。
支援システムには、直接収益にはならないし、最悪なくても代替可能な人材管理やコミュニーケーションサービスなどが該当します。
支援システムは、直接的な収益につながらないため、あまり企業ごとの差別化を働かせるメリットが無いシステムです。このため、ERPなどのパッケージやSaaS等の利用が強い領域です。
※細かい分析は元論文を参照していただきたいのですが、元論文のリンクを紛失。。。
得意領域については、元論文にはない話ですが、独断と偏見で追記してます。
まとめ
とまあ、こんな感じでMcFarlane IT Portfolioを使ってIT資産を分析できるわけです。
IT戦略を立案する場合、自社の事業拡大のために領域ごとに適したシステム導入方針や、システムを開発するための技術、開発手法、運用方針などを考える必要があるわけですね。
以上