プロマネブログ

とあるSIerでプロマネやっているオッサンです。主にシステム開発ネタや仕事ネタ、気になった三面記事ネタの解説なんかしてたりします。

「英語教育改革」だけではダメ。グローバルビジネスで本当に活躍できる教育改革を。

「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」について:文部科学省

 

また英語か。。。これで本気でグローバル化人材を育てる気があるのか、とこの手の話は毎度心配していたりします。

今回も資料を読んだところ、やっぱり色々心配な内容でした。

 

グローバル化の事例)オッサンの職場

オッサンの職場は以前のエントリ(http://getlife.hateblo.jp/entry/2013/10/24/001630)に書いたとおり、外国人が非常に多いです。

オッサンのチームは以下の様な国籍構成となってます。

  • 日本人                    30%
  • 在日外国人(いわゆる高度移民)        30%
  • 海外外国人(自国語だけしか話せない人もいる) 40%

まあ、おおよそ7割が外国人です。ちなみに全員中国人。昔は他の国籍の人もいましたが、今は中国人とだけ仕事してます。

こんな職場だから、会話は英語?それとも中国語か?と思われる方もいるかもしれませんが。。。 

実際は、バリバリ日本語で会話してます。

 

これには理由があります。

  • 意思決定者(この場合リーダであるオッサン)が判断を誤らないようにしなければならない。なので、意思決定者の母語を使うことで、判断ミスが発生しないようにする必要がある。
  • 英語のようないずれの関係者の母語でない言語の場合、意思疎通の効率が低下するため

などなど。要は日本語で会話するのが一番合理的だから、というわけです。

 メンバーには中国語だけしか話せないって人もいますが、そこは組織でカバーします。

 

  

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組織構成の運営イメージです。よくある海外アウトソーシング体制ですね。

海外のチームメンバーで日本語がそれなりにできるのは リーダーなど一部の人だけで他の人は初心者同然だったりします。なので、オッサンからの指示はリーダーを介してメンバーに伝達するような指揮命令系統をしきます。

 

上記のように、全員が日本語話せなくても、また、逆に中国語や英語を話せなくてもグローバルなビジネスって出来るんですよね。

 

つまり、英語力ってグローバルビジネスの必要条件では無いわけです。正直英語は英語圏の人と話をするための手札の一つ、として身につけるぐらいでちょうどいいかなと思います。

 

※まあ、中国、アジア界隈だと英語が話せない人なんてザラにいますし。欧米だけが仕事先ではないので、英語=グローバルって言ってしまうと、アジア相手のコミニュケーションでは失敗するのでは、って思います。

 

グローバルビジネスで必要な力

さて、オッサンの考えですけど、「論理的な説明力」が必要かなって思います。

外国人と仕事していると、解釈間違いや、読み間違いなんてザラ。人が増えれば増えるほどその傾向は強まります。つまり、誰もが解釈間違いのない論理的文章により、意図を的確に伝える力って重要だと思います。

 そういった意味では、グローバル化する世界に向けての教育としては、論理的文章を鍛える国語教育が重要だと認識してます。

 

ただ、現在はわかりませんが、オッサンが学生時代、国語教育はほとんどが文学読解や古典読解、修辞表現などが中心でした。この国語教育ではちょっとグローバルに対抗できる人材は育たないのでは、と危惧してます。

 

 

あとは「仕組みを作る能力」。問題解決能力とも言い換えられます。

要は、英語力がないからグローバルビジネスが出来ない、と考えるのではなく、英語ができないのならば組織・システム化することで英語ができなくても仕事ができるようにしよう、などと発想できる力が必要かなと思います。

 

正直、いろいろな国で仕事すると、所変われば品変わるって言いますか。。。同じノウハウが使い回しできないこともざらにあります。言葉が通じないってのもそんなトラブルの一種だったりするわけで、そういったトラブルが発生した場合に柔軟に対応する問題解決能力が必要だと思います。

 

そういった力を鍛える教育って無いですよね。。。こういう力を鍛えてこそ、グローバルで活躍できる人材を育てる教育では、と思います。

 

まとめ

まあ、今回の「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」は正直半信半疑です。

英語スキルの強化にだけ着目していたり、国語教育でも古典の充実を謳っていたり。。。なんだか、外国人向けの日本ガイドを育成しているのでは、と思えるような内容です。

 

 まあ、オリンピックに向けての日本文化の発信なんて目的にあげちゃっているので、当然といえば当然ですか。

 

せっかくグローバルという言葉を使うのであれば、グローバルビジネスの第一線で活躍できる人材を育てられるようにして欲しいです。

 

そのためにも、「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」なんて中途半端なことを言わずに「グローバル化に対応した教育改革実施計画」を目指してもいいんじゃないかなって思います。

 

 

以上