ケネディ大使の捕鯨発言の日米関係への雑感
上記のニュースについて
日本人はそろそろ捕鯨が与える相当やばい国際的イメージに気づくべき
まあ、一種の宗教戦争で価値観戦争だよね。欧米の一方的な価値観の押し付けでイスラムともめるんだし、もうちょい多文化尊重を理解してもよい頃だと思うんだけどなあ。
この増田さんが指摘されてるように、捕鯨に関して欧米と大きな価値観の隔たりがあります。
これに関してのオッサンの感想はブコメ欄に書いた通り、鯨を神聖なものとするキリスト教を中心とした欧米の価値観と、非キリスト教である日本の価値観のぶつかり合いでしかないのですが、これを国際イメージと言ってしまうといささか大袈裟な感じです。
ところで、価値観と言えばふと思いにだされるのは、安部首相の掲げる価値観外交です。
ホントは価値観なんて共有してない価値観外交
価値観外交をおさらいすると
価値観外交(かちかんがいこう)とは、民主主義や人権の尊重などを価値として共有する国家との関係を強化しようという外交方針。 *1
となります。
そして、その外交方針を示した安部ドクトリンの一節には
アジアの多様な文化,伝統を共に守り,育てていく
というのがあります。
・・・価値観外交の一角でとして外交している欧米と全然価値観あってないじゃん。
前述の通り、宗教感が異なる欧米と、伝統や文化が会うわきゃありませんね。
かといって、別の一節
「力」でなく「法」が支配する,自由で開かれた海洋は「公共財」であり,これをASEAN諸国と共に全力で守る。米国のアジア重視を歓迎する。
も微妙です。太地町のイルカ漁も調査捕鯨も法的に認められているにもかかわらず、大使と言う公人が批判発言するくらいですから。
まともに考えれば、今回のケネディ大使の発言は、価値観を共有する国の発言としては異様です。つまり、安部ドクトリンの会わない国家と価値観外交を行っている現実があります。
となると、価値観外交の本質は何か、となるわけですが、端的にいってしまえば「価値観があう国との外交」ではなく、「利害のあう国との外交」というのが妥当でしょう。要は、リアリズム外交に価値観というオブラートでくるんでリベラル外交風に見せかけた、と。
まあ、外交ってそんなものだし今さら言うなって感じのことですけど。。。
まあ、外交的には今回の発言で何か問題となるか、というと微妙でしょうけど。
ケネディ大使の大使としての資質は大丈夫か
ここで気になるのが、本当に米国政府の発言なのか、です。
もと記事の通り、テレビ番見等で批判が高まって批判が高まっているのであれば、米国内向けに英語発言だけすればよいはずです。
米国政府としての何らかの政策検討もなかったようです。*2
非公式のTwitterで日本政府への批判を行うのも不自然です。
オッサン個人の見解ですが、ケネディ大使の個人の発言として見るのが妥当と思われます。
となった場合、比較的日本通として知られる人物が、日本国内でも政治議論となるような問題にたいして、日本語で日本人に向けて公人の立場で不用意な発言をしたこととなります。
・・・正直、この方政治家も目指しているようですが政治センスは大丈夫でしょうか。
対米関係もきちんとまわるのだろうか、も気になります。
就任時に、ケネディ大使の資質に懸念の声があがってましたが、それが実現となりそうですね。。。
まとめ
いずれにせよ、捕鯨問題は欧米の価値観と日本の価値観の問題として今後も問題となるのは確かでしょう。
ただ、前述の通り利害関係が一致しているウチは国家間の外交問題化しないでしょう。
となれば、極力外交問題化しないよう、日本政府には調整を期待したところ。
これに対し、ケネディ大使の件はちょっと心配です。
資質問題だとしたら。。。ケネディ大使を駐日大使とした米政府の本心が不気味です。
まあ、たいした問題となりませんように。
※大使の問題なだけに。
以上