2015年のITベンダ業界の展望予想
正月はずっと寝正月で惰眠にふけっていたのですが、いよいよ仕事始めを迎えるに当たり、今年の抱負も兼ねて業界展望の予想を行ってみようかと思います。
やっぱり2015年問題は起きない
改めて書くのもアレなんですが、一部のメディア*1で語られている2015年問題は発生しないと予想してます。
よく事例で引き出されるみずほ銀行プロジェクト。20万MMの壮大なプロジェクトとして語られてます。でも、そもそも20万MMは業界全体にインパクトを与えるほど巨大なのか、をきちんと考えるべきでしょう。
現時点、日本のIT技術者はベンダだけでも多よそ80万人。オフショア加えれば100万人程度の技術者が仕事しているわけで、年間の工数で考えれば1200万MMとなります。
みずほ銀行のプロジェクトも、単年で見れば10万MM程度でしかなく、業界全体の0.8%程度です。
上記の記事で紹介されている大型案件と呼ばれる案件を全て足しあわせても2%程度。
ただ、消費税増税の影響は思ったよりも深刻でシステム投資意欲減衰につながっている部分もあるので、システム開発が破綻するほど投資は伸びないのじゃないかな。
まあ、ガートナーあたりが予想する業界成長幅ぐらいの数値となるとの推測で、過去の実績を考えてみても、「忙しいけどまあ何とか頑張れる」といった例年通りの姿になるんじゃないかなと考えられます。
良いのか悪いのかは別として。
2015年問題と名前がつけられるぐらい活況なら、まあそれはそれで嬉しい訳ですがそこまで期待できなさそうな感じかなあ。
BPOが新たなトレンドに入るかも
IT業界のビジネストレンドにBPOが追加される機運が高まるのでは、と考えてます。
よくIT業界は人手不足が叫ばれているのですけど、他所の業界を見るに、目にする企業のほとんどが人手不足だったりして、IT業界ほど要員管理していないせいで表層化してないだけじゃないの、というのを昨年さんざん見かけました。
※要は、従業員が恒常的な長時間労働などの負荷が高い状態に置かれていることでなんとか解決できている状態。
このような状況下では、ITによる業務効率化もさながら、そもそもの業務の外部化についても検討が広がることから、自社でのIT投資ではなく共同の業務センターでの集約的なIT投資による業務委託みたいなスタイルが拡大するんじゃないかと。
IT運用の外注化自体は、日本だけじゃなく世界的にもかなりの成長分野です。
実はこの手のビジネスはアメリカなんかだとよくある形態で、ITベンダがユーザ企業の情報子会社やIT部門をIT資産ごと買収し、共同出資子会社がBPOを行うみたいなスタイルですね。
現在はコールセンターなんかがよくある事例ですけど、他の業務領域でも更に拡大するんじゃないかな。
てなわけで、IT子会社およびIT部門の買収やIT業務代行会社の共同出資による設立などが度々ニュースをにぎわすんじゃないかな、なんて予想してます。
セキュリティはより一層うるさくなる
まあ、ベネッセの一件のせいですけど、セキュリティはよりうるさくなるんじゃないかな、と予想してます。
現在はただの自主規制の範疇で重石を載せられた状況ですけど、今年はそれが具体的な制約が仕事の場に影響してくるんじゃないかなって予想してます。
例えば、具体的な開発要件のセキュリティ要件として、監査項目として、運用要件として。
多分、プライバシーマークなどの制度関連にも何らかの影響が出るんじゃないかな~。
まあ、性懲りもなく仏作って魂入れずになりそうな気もしますが。
まとめ
当たるも八卦当たらぬも八卦と言った感じの適当な予想ではありますが、今年もほどほどの忙しさで生きていけるよう、頑張って行きたいとの所存です。
以上