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プロマネブログ

とあるSIerでプロマネやっているオッサンです。主にシステム開発ネタや仕事ネタ、気になった三面記事ネタの解説なんかしてたりします。

技術者を襲う3年後の悲劇ってホントにおきるのかね

テクノロジー

技術者を襲う3年後の悲劇:日経コンピュータDigital

 

 毎度のことですけど、突っ込みどころについて、とりあえず書いときます。

 

業界全体で仕事量が増えればそりゃ人は足らなくなるよ

 これらの案件は“特需”のため、それに合わせて技術者を抱え込むのはリスクが高い。調査によると、従業員1001人以上の大手に限れば技術者不足とする割合は66.6%にすぎず、技術者不足を訴えるのは100人以下の中小に集中している。つまり、ユーザー企業から直接案件を請け負う大手は、自らの人員を膨らませることなく、IT業界の多重下請け構造を活用することで、この一時的需要をこなそうとしていることが見て取れる。

 

基本、システム構築プロジェクトは設計~開発~テスト~リリースという工程をこなした場合、大体の場合において開発~テストで人員のピークを迎えます。

この時、要件定義時点から比較すると、10~20倍程度増加することも当たり前。

言い方を変えれば、ピーク時の人員を前提とした雇用体制を敷いた場合、初期段階やリリース直前では9割方の人が仕事もしないで遊ぶこととなります。

 

ここで、複数のプロジェクトを回せるだけの体力のある大手であれば、これらの人員に対して社内シフトで対応できるため、多少人数が多くても対処可能であったりします。

これに対し、中小SIerの場合、大手ほど複数案件を回さない等の事情もあり、社内シフトもままなりません。

このため、仕事の緩急により人が足りなくなる、余るといった事象が大手に比べたら顕著に発生することとなります。

 

マイナンバー制度のようなほぼ全業種のシステムに影響があるような対応が行われた場合、大手顧客が限られている大手SIerよりも、中小企業を数多く顧客に抱える中小SIerの方が、先に上げた人員特性により急激に人員が足りなくなります。

 

なので、業界全体で活況となると真っ先に中小SIerの方が人手不足になります。これはSI業界特性です。

 

 

アメリカ型のシステム開発体制となったらまた別の面で煽られそうな気がする

ちなみに、大手SIerで人手不足となった場合、プロジェクトマネジメントのような要員が固定となる仕事や、ある中心的なメンバーがアーキテクチャ設計や業務設計などコア部分の概要・外部設計相当を行い、内部設計から開発、テストを委託する場合もあります。

元記事ではこれを多重下請けって言っているわけですが。。。では、アメリカと同様にプロジェクト開始時に大量雇用、プロジェクト終了時に全員解雇みたいな制度がいいのか、と言うとちょっと疑問です。

池上彰さんの著書なんか見ると、雇用が安定していたほうがのびのび働けるなんて意見もあったりしますし、個人的には仕事の質の面も安定すると思います。

 

 

経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ

経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ

 

 

 てか、アメリカ型のSI構造になったら、今度は「非情なりシステム開発プロジェクト。ユーザもSIerも、大需要期にはSE大量雇用のあとの大量解雇」なんて書き立てるのが目に見えているんだよなあ。

現状の業界構造を煽るだけ煽って、本当にその道の先に幸せがあるのかはきちんと検証して欲しいもんです。正直、メディアは無責任すぎ。

 

アンケート結果は見ている方向の違いでは

問題は、ユーザー企業の新たなニーズとのミスマッチである。開発・運用やSIなど従来型のビジネスについては、いずれも今後3年間に事業を拡大するとしたIT企業は5割前後に達するが、今後も利用ニーズが高いとしたユーザー企業は全体の1~2割にすぎない。一方、SaaSやPaaSなどのクラウド関連では、いずれも3割以上のユーザー企業が、ニーズが高いとしているのに、新規事業や事業拡大に取り組むとしたIT企業は1~2割である。

 

上記については、元のIPAプレスリリース(http://www.ipa.go.jp/files/000038374.pdf)も見たのですけど、正直回答内容一覧が、微妙すぎて正確な実態を表してないんじゃないかなと思われます。

例えば、重点する施策に「システムインテグレーション」「システム受託開発」が並んでいたりしますけど、どれだけ違いを理解して回答できているのでしょうか。。。。

 

 

 で、ユーザの重点施策を見るに、IDCサービス(ハウジング、ホスティングHaas、Iaas等)の割合が一番多いわけですけど、これと突き合わせれば「Iaas上で受託アプリケーションを開発する」や「DCに機器をハウジングしてシステム開発を行う」なんていうようにも読み取れるわけで、実際のところ、システム受託開発を重視しているIT企業とユーザ企業でそんなにも意思が乖離しているのかは疑問。

 

というか、前の方に記載の通り、SI業界が多重下請け構造というのなら、クラウド使うやオンプレミスを使うといったアーキテクチャ選択は、元請けSIerだけが握る(関係する)こととなるため、下請けとされるSIerからすると、環境は関係なくタダ受託開発を粛々と行うだけという意図で回答したんじゃあ無いのかなあ。

 

正直、選択肢見ただけですけど問題設定が悪すぎです。

 

 

というのも、オッサンは元請けSIerですけど、クラウド案件を見かける頻度が増えてますので、元記事の考察ってかなり実態と違和感あるんですよね。

 

こういう設問設定が悪いアンケートって、大抵の場合流行語やどうとでもとれる曖昧な選択肢に解答が集中するもんですけど、それを狙ったのような微妙な解答の選択肢でした。

 

 

まとめ

まあ、色々書きましたけど、う~ん、やっぱり微妙。

とりあえず、いつもどおりSI企業煽りましたって内容です。

この手の記事は過去10年ぐらい続いてますけど、過去の2007年問題や、2012年問題で大騒ぎしたときからあんまり反省してないんだろうなあ。

 

SIerの業界構造よりも、メディアの業界構造改革が期待されるところです。

 

以上

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