裁量労働制って誰にとって最良なの?
多分嫌いな人が多いだろう裁量労働制で、「満足」または「やや満足」と回答した人が70%を超える結果とだそうです。
多分、無作為な調査じゃあ無いんだろうなあ。。。オッサン勝手に分析します。
裁量労働制とは
そもそも、裁量労働制とは、以下の特徴を持った労働制度です。*1
- 特定業種(証券アナリストやシステム開発、デザイナーなど)に限定
- みなし労働時間分の給与を支払う代わりに、残業代は支払われない。法定残業時間を超過するおそれがある場合は、事前に36協定での労使合意が必要。
- 深夜残業、休日残業はいかなる場合でも支払対象。
要は、特定業種については割増賃金払う代わりに残業代がなくなるよって制度です。
IT業界などでは広く採用されている制度だったりします。
裁量労働制のメリットは「自身で時間をコントロールすれば自由な勤務が行えること」。デメリットは「仕事の割り振りによっては長時間勤務となってしまう」となります。
裁量労働制って誰が嬉しいの?
上記のようなメリット・デメリットがある裁量労働制ですが、元のニュースにあるようにきちんと運用されないと問題が生じます。
無理な仕事の割り振りをされれば、長時間勤務になるだけでなく、残業代も出ません。踏んだり蹴ったりですね。
この制度を有効活用できるのは以下の条件が必要と考えてます。
- 納期に関して決定権があること
- 時間拘束を受けない業務であること
- 仕事量の調整が可能であること
・・・この条件を満たすのって、比較的営業力のあるマネージャ層に限定されるんじゃあないかなって思うんですよねえ。
というのも、オッサンも裁量労働制の勤務形態で仕事してますが、自分が仕事を割り振られる側のプレイヤーだった時はまさにデメリットそのものの働き方だったのですが、プロマネとして仕事の割り振りを行うようになると、とたんにメリットを享受できる働き方になったんですよ。
自分が仕事を受ける側の場合、やっぱり納期や仕事量について調整の余地がなく、与えられた仕事を次々とこなそうとするウチ、長時間労働についついなっちゃうんですよね。
まあ、そんなこんなの経験をしたオッサンは、裁量労働制を支持する人っていうのは「ある程度権限や交渉力のあるマネージャ層の人間」「デザイナーなど自分で仕事を選ぶ専門職」が多数になるだろうって考えてました。
ところが、NHKの報道では70%近くの支持者がいるそうです。
んなにマネージャ層や専門職の人間がいるわけ無いはずですし。。。。おそらく、母集団に偏りがあるんじゃあないかなって気がします。
というのも、今回の調査は厚労省による「裁量労働制の対象を広げるかどうか、検討の参考にするため」行われた調査です。
つまり、結論としては「賛同者も多く、広く受け入れられているため拡大の方向で検討する」となることが予想されます。
元の調査が見つからなかったので推測の域を出ない話ですけど。。。
- 無作為調査だが、母集団が裁量労働制を採用したポジティブな企業に限っている
- 設問がどうとでもとれるような内容となった
なんて事があったりするかもしれませんね。
続報が気になります。
まとめ
なんだか色々書きましたが、裁量労働制は決してダメな制度ではないと思います。
要は使い方次第ですね。
ただ、無闇矢鱈に適応範囲を広げれば当然適応上問題となるところにまで広がる恐れがあります。
なので、この手の制度改正は多少慎重に行うぐらいでちょうどいいのかなって思います。
なお、タイトルはダジャレです。
以上