プロマネブログ

とあるSIerでプロマネやっているオッサンです。主にシステム開発ネタや仕事ネタ、気になった三面記事ネタの解説なんかしてたりします。

ICTイノベーションを競う「global ICT awards」で日本企業がわりと活躍している話


「TRUE TELLER」が「世界情報サービス産業機構 IT賞」を受賞 | 野村総合研究所(NRI)

 

 

世界情報サービス産業機構(World Information Technology and Services Alliance、WITSA((Witsa | World Information Technology And Services Alliance、世界70カ国以上のITサービス業界団体により構成される国際組織」)主催の世界情報技術産業会議(WCIT)にて「global ICT awards」という賞があるのですが、6年ぶりに日本企業が受賞したとのこと。

 

「global ICT awards」って何?

global ICT awardsというのは、公共分野ITユーザ、民間ITユーザ、デジタル格差解消を促すITユーザ、審査員グランプリの4分野で評価されるコンテストです。

世界最大級のITサービスカンファレンスである世界情報技術産業会議(WCIT)にて、隔年で審議、投票された受賞企業が発表されてます。

 

ICT技術を用いて、企業の競争力、顧客満足度を高めるといったイノベーションを発揮した企業に贈られる賞となります。ITイノベーションを用いて業務革新を行っている企業を称える賞というわけです。

 

日本では過去4社1団体が受賞してます。

受賞年 ユーザ企業・サービス 開発ベンダー
2000 セブン-イレブン ジャパン「第5次総合情報システム」 NRINECなど
2004 JR東日本Suica JR東日本情報システムなど
2004 横須賀市電子入札システム」 NTTコミュニケーションズなど
2006 KDDI 「固定系事業システムの構造改革 DIRなど
2008 JFEスチール 「新統合システム(J-Smile)」 JFEシステムズ、エクサ

 

 NRIはベンダの立場としては、2度めの受賞となるわけですね。

 

日本だと業務システムを中心に受賞している感じですが、海外だと教育系ウェブサービスギリシャ)、クレジットカード決済サービス(カナダ)や、クラウド構築のためのアプライアンスサーバ(台湾)等で受賞していたりもします。

ユーザ企業で有名なのは、フィンランド航空やアジアエアラインなど、受賞しております。

 

公共機関では、電子政府や保険などを達成できた団体が受賞してます。電子政府を構築したことで有名な韓国も受賞してます。

オバマ大統領の「Open Government Initiative」が受賞してたりも。

 

日本は受賞数2位

毎年6~7企業、団体が受賞する「global ICT awards」ですが、2000年を初めにおおよそ50企業、団体が受賞しております。

 

2014年版の受賞企業の一覧がまだ見つからなかったので、2000年から2012年までのTOP10まで集計してみると、以下のようになります。

 

順位 受賞数
1 アメリカ 9
2 スペイン 5
2 日本 5
4 マレーシア 4
4 香港 4
4 台湾 4
7 ギリシア 3
7 韓国 3
9 カナダ 2
9 シンガポール 2
9 フィンランド 2

 

 

ICT技術なので、ダントツのトップはいつもどおりアメリカなのですね。

ドイツやフランスといった欧州各国が少ないですね。オランダが次点としてノミネートしていた年があったので全くエントリしてないわけではなさそうですが、あまり評価されるようなシステムはないのかな。

 

日本はアメリカに続いての2位です(スペインと同順)。

世界的に見ても日本はICTイノベーションをトップクラスで達成できている国ってわけなんですよね。

 

まとめ

 ITProあたりで「日本のSI構造ではイノベーションが生まれない」なんて散々言われているわけですが、実際蓋を開けて見れば、世界的に日本発のシステムがイノベーティブとして評価されているわけで。

GoogleAmazonみたいなBtoCのわかりやすいイノベーションじゃ無いから、日本のユーザ企業とベンダのイノベーションに気づいてないだけじゃないかな。

 

まあ、ユーザ企業の挑戦と、SIerの技術が合わされば世界的に評価されるイノベーション生み出せるっていう証左かな、なんて思います。

 

余談

 ただ、この話ってSIerの海外営業売上高比率が低いっていう事実と照らしあわせてみれば、「世界で評価されるイノベーションを作れる技術力はあるが、それを海外に売ることができる営業力、販路、売り方に難がある」っなるわけですよね。。。

 

これはこれで問題だよなあ。

 

以上