世界の中での日本のITサービスの評価
極言暴論スペシャル! - SI亡国論(1)- 日本にも世界にも全く貢献できないIT業界:ITpro
年末、仕事がたてこんでおりすっかりブログ更新をサボってました。
反応するのもバカバカしくなってきたのだけど、こういう分析も何もない思い込みだけの記事を垂れ流すのを見過ごすのも精神衛生上よろしくないので。。。
世界の中での日本のITサービスの評価
昔書いた上記の記事がまあ答えなのですけど、日本のエンタープライズシステムって世界の中でもかなりの好評価を得ているんですよね。
エンタープライズシステムやWEBサービスなど各種ITサービスの中で、イノベーティブであると評価されたシステムの数で言えば、世界でも2番めの評価。(一位は当然のごとくアメリカですが)
とかくエンタープライズシステムの様なB2Bで使われるシステム、利用者が特定されたシステムは、B2Cのような「わかりやすい」形で見えるようにはなってません。ミドルウェアや言語みたいに、広く技術者に知れ渡っているようなものでもない。
エンプラの分野では、内部のアーキテクチャなどがオープンとなっておらず、一子相伝の秘技となって情報公開されないことも珍しくない。傍から見たらよくわからんだろうなとは思います。
日本のITサービスで世界に評価された画期的な技術やサービスを知らないからって、存在しないわけじゃあ無いかと。
それこそ、視野の広さの問題じゃないかな。
日本のSIerとサムスンを比較して何がしたいのか?
どうも、世界で戦えるIT企業の姿が文中でもぶれすぎている。。。
アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト
コンシューマ?OS?
ハードウェア?モバイル機器?
インド側から見ると景色が変わる。圧倒的なコスト競争力で欧米、そして日本のシステム開発、プログラミング需要を一手に引き受ける
これらの企業とエンタープライズシステムを作成するSIを比較して何がわかるというのか?
単にIT業界と言った世界でも、取り扱う製品・サービスの違いで競合、戦い方、世界への関わり方が違うわけで。どうも、この御仁は気持ちが先行してしまい、論理展開をすっ飛ばしているみたい。
日本のIT業界としてSIの仕事と比較したいのであれば、同じくエンタープライズシステムの分野で語らなきゃ比較できない。
同じ輸送機器だからって、乗用車とトラック、バイクに電車を比較しているようなもんですよ。
ちなみに、エンタープライズシステムの分野では、多くの国では地場のローカルベンダーが中心に活躍してます。一部の国では、IBM等の多国籍ベンダが圧巻している国もあるけど。
参考:日本のIT業界を「SIガラパゴス」と言う前に知っておきたい海外ベンダ事情 - プロマネブログ
まあ、ビジネスソフトの分野で語った瞬間に、記事としての煽り成分がなくなってしまうので書けない事情もあるのかな、という気もします。
(純粋に何も考えてないような気もするけど)
同一文章内の矛盾を文章のプロが書くのはいかがなものか。
1ページ目の
画期的な技術を生み出すことで新たな価値を提供するのがIT産業である
に対して、4ページ目の
低コストも企業が提供し得る付加価値の一つである。その意味ではインドにも世界に貢献するIT産業が存在するわけだ。
とりあえず、同一文章内での整合性は取ったほうが良いのでは。
一応、文章のプロなんだし。
まとめ
毎度のごとく、煽り成分たっぷりな反面きちんとした内容になっておらず、結局煽っておしまいという感想の文章で微妙な感じでした。
今回の記事、とかく出羽守ぶりが際立った文章でした。
こういった表現、正直好きではありません。
「日本のITベンダは米国ベンダの猿真似だ」と言いつつ、語る言葉は「世界では~」「米国では~」、「欧米では~」。
知ってる限りの話でIBM等の多国籍ベンダを語っている反面、米国や欧州のローカルベンダの姿は露も見えない。日本をガラパゴスと語れれば、世界のベンダを正しく分析することは放棄してもよいのだろうか。。。
まともな情報分析もできないからこそ、「日本の雑誌メディアは米国雑誌メディアの後追いで滅亡の途を進んでいる」ということになるんじゃないかな。
以上