銀行決済24時間化が2018年となる理由をちょっとだけ推測
銀行振り込み「1時間だけ」延長…ご冗談を! | 夏野剛のググっても絶対出ないハナシ | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
銀行は専門じゃあないので、内容は不確かなところもありますがご了承を。
2018年まで改修が必要となる理由は政治じゃないかな
この夏野氏。2018年まで銀行24時間決済が実現しないのを憤っているご様子ですが、正直銀行のせいじゃあないと思うんだけどなあ。
今、銀行系のシステムでは「金融一体課税(2016年1月完了)」「みずほ銀行のシステム更改(2016年後半頃完了)」「マイナンバー制度(2016年~2017年順次完了)」って形で、かなりの規模のシステム改修が動いている形となります。
上記を見ての通り、既に2017年までシステム改修スケジュールが埋まっている状態なんですよね。
しかも、政府主導の制度案件がかなり多く占めてます。
このような状況で、例えば「マイナンバー制度」のリリースが破綻してしまい、そもそも制度がスタートできなくなってしまうなんて自体は政治的にも避けたいところ。
そういった形から、制度案件だけでなく、平行して稼働している中~大型案件については、かなり厳しいチェックを受けている状況じゃないかなと思われます。
※金融系のシステム開発ではよくある話。
このような条件下で「決済24時間化」を2017年までに銀行協会が推し進めようとしても、政治の面からストップがかかるんじゃないかなって思います。どんなにユーザ視点を強調しても。
ただ、これは政治の都合としては仕方ないんじゃないかなって思うんですよね。
金融一体課税にせよ、マイナンバー制度にせよ、銀行以外にも多数の業界でシステム改修対応を行っている案件ですし、その影響の大きさから、制度破綻を招くようなシステム開発の失敗は許されないでしょう。
最悪の最悪の事態として、ミッションクリティカルの取引網の中心に存在する銀行系システムが、制度対応できなければ政治的な超法規的判断で制度開始延期にならざるを得ないなんて状況も考えられます。
安全第一にならざるを得ない状況ってのもまあわかります。
※これも、現在のミッションクリティカル系システムが高度化しすぎて、業界横断で結合しすぎだったりするせいもあるんですけど。
まとめ
夏野氏は、2018年まで変更が遅れることについて、「銀行業界がユーザ目線がないせいだ」と憤っておりますけど、そんなことは無いんじゃないかな。
制度改正といった政治の都合に翻弄されながらも、精一杯ユーザの要望に答えようとした結果、2018年というスケジュールが出てきたんじゃないのという気がしますよ。
以上

- 作者: 野村総合研究所決済制度プロジェクトチーム
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 47回
- この商品を含むブログ (3件) を見る